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2025/06/25

『Supermicro innovate 2025』、『COMPUTEX TAIPEI2025』視察レポート

2025年5月に台湾で開催された『Supermicro innovate 2025』と『COMPUTEX TAIPEI2025』に参加しました。近年のAI需要拡大に伴い、データセンター、最新のGPUを搭載するサーバー、液冷却にスポットライトが当たっているように見受けられ、例年以上の活気を実感しました。

『Supermicro innovate 2025』

Supermicro innovateのテーマは『BE:FIRST』。
調査会社のIDCによると、Supermicroはワールドワイドでのサーバー・ベンダー売上で2024 Q’4に首位を獲得し、日本国内においても2024年 1月-12月の累計売上/出荷台数ともに首位を獲得しています。
Supermicro innovate 2025では、これからのAI時代を牽引すべく、データセンター市場向けのAI用途のラックスケールサーバー、液冷却ソリューションのリリース、データセンター向けのサービスなど注目の展示が目白押しでした。

展示の様子

既にSupermicroの公式サイトで公開されておりますが、SupermicroのCEOであるチャールズ・リアン氏の基調講演では、データセンター・ビルディング・ブロック・ソリューション(DCBBS)が発表されました。
SupermicroのDCBBSは要求の厳しいAIデータセンターにおけるトレーニングと推論ワークロードに対応するべく、データセンターの計画、構築、運用を容易にするとともに、コスト削減を実現します。また、Supermicroが以前より提唱しているDirectLiquidCooling(DLC)の次世代版であるSupermicro DLC-2と組み合わせた環境とすることで、電力消費量の40%節約、データセンター設置面積の60%削減、水の消費量の40%削減、TCOの20%削減が実現すると語られました。
このDCBBSの発表は、グリーンITへの強い意識が感じられる内容でした。

同日の基調講演にはNVIDIA CEOのジェンスン・フアン氏も登壇し、Supermicroとの強固な結びつきをアピールしました。Supermicroのプラットフォーム開発における技術力と、NVIDIAの加速し続けるGPU技術が、AI研究を支えるこれからのデータセンターの更なる進化を支えていくことを感じられる講演でした。

基調講演

チャールズ・リアン(Charles Liang)氏の基調講演の詳細
https://www.supermicro.com/ja/event/computex

今後、データセンターの需要はより一層大きくなると見込まれています。イグアスも代理店として国内のSupermicroビジネスを支えるべく、引き続き協業を深めてまいります。

『COMPUTEX Taipei 2025』

Supermicro innovate 2025と同じ期間に開催されていたCOMPUTEX Taipei 2025では、出展各社による様々な最新技術の展示で賑わっていました。
サーバー・ビジネスに関わる製品は、水冷対応を見据えたサーバー、ラック、そしてデータセンターデザインに特化した内容が非常に目立っていました。
GPUが何枚搭載できるか?が注目されていた数年前から考えると、飛躍的な進化を感じる会場となっていました。
COMPUTEX Taipei 2025に出展しているSupermicroのブースは大盛況で、展示されていたNVIDIA B200搭載の液冷サーバーには人だかりができていました。
ブースの奥では、ラックスケールの高集積サーバーと、GPUサーバー向けデータセンターの管理に特化したSupermicroのソフトウェアSuperCloud Composerとの連携が展示されていました。Supermicroが、ハードウェアの設計だけでなく、データセンター全体をターゲットとしていることが伺える展示でした。

COMPUTEX Taipei 2025
SUPERMICROブース(SUPERMICROブースの様子)

COMPUTEX Taipei 2025では、イグアスでも取り扱っているストレージメーカーのSEAGATEブースも訪問しました。SEAGATEはGPUサーバーとの低遅延なデータのやり取りを実現するAI/MLに特化をした新しいNVMeストレージシステムを発表していました。
詳細な製品技術情報は今後拡充されていくとのことでしたが、このNVMeストレージシステムはNVIDIA BlueField-3 DPUを搭載し、サーバーとストレージ間のI/O性能を飛躍的に伸ばすことのできる製品である、と紹介されていました。システムを選定する際は、どうしてもサーバー側のCPUやGPUに目が行きがちですが、ストレージの組み合わせで更に高速なコンピューティング環境が整う未来が目前に迫っていることが分かりました。

SEAGATEブース(SEAGATEブースの様子)

COMPUTEX全体としては、大型のシステム向けの機器や冷却管理のできるラック製品などの展示の他に、ゲーミング用途の機器も数多く展示されていました。
きらびやかに光るPCパーツや、高性能PCでのゲームの体験コーナーなど、多種多様な用途へ向けた新しい技術が展示されていました。

展示の様子
展示の様子

(まとめ)

『Supermicro innovate 2025』と『COMPUTEX TAIPEI2025』に参加して実感したことは、AI需要をターゲットにしたデータセンター、GPUサーバー、液冷却が、業界における本年の関心事だということです。
そして、ユーザーのニーズを的確に捉え、ユーザーにとって最適な環境の提供を実現していけるかが、ビジネスのカギになっていくと思いました。
ディストリビューターとして多くの製品を取り扱う中で、イグアスもユーザーのニーズへの理解を深めつつ、Supermicroの掲げる『BE:FIRST』を共に目指し、新しい時代を切り開く一端を担えればと思います。


筆者紹介

小林 義信
小林 義信
株式会社イグアス
パートナービジネス事業部
東日本営業本部
第二営業部 部長
金井 亮介
金井 亮介
株式会社イグアス
パートナービジネス事業部
テクノロジー製品本部
オープン・ソリューション営業部

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